とここと AI先生STEP 06
2026-08 版
STEP 06 / 10

Git と GitHub で、消えないようにする

AIが毎日書き込む場所には、必ず「戻せる仕組み」を付けます。間違って消しても、AIが変な書き換えをしても、前の状態に戻せます。 パソコンが壊れてもデータが残ります。

ゴール非公開リポジトリに毎日保存
所要時間約25分
むずかしさふつう
費用無料〜月4ドル
💡点線のついた言葉は押すと意味が出ます。
01

なぜ必要か — AIに毎日書かせるなら、これが保険になります

毎朝AIがファイルを追加・書き換えします。ほとんどはうまくいきますが、たまに「まとめ直します」と言って良いノートを消してしまうことがあります。 Git があれば、その日のうちに気づかなくても、あとから1コマンドで戻せます。

Git がない 月曜のノート → 火曜にAIが書き換え → 木曜に「あれ、消えてる」 元の内容はもう分からない Time Machine やバックアップがあっても、どの時点かを探すのが大変 Git がある 毎日1回、その日ぶんが記録されている 「3日前の状態に戻して」で終わり 誰が・いつ・どこを変えたかも全部残っている おまけ:2台目のパソコンでも同じ Vault が使えるようになります 会社のパソコンと自宅のパソコンで、同じ長期記憶をAIに読ませられる。 クラウド同期フォルダより安全で、競合コピーも生まれません。
図:Git は「バックアップ」というより「時間をさかのぼるスイッチ」です。
02

Git と GitHub を用意する

Git はたいてい入っています

入っていない場合は、ターミナルで git --version と打つと、インストールを促すダイアログが出ます。「インストール」を押すだけです。

GitHub のアカウントを作る

github.com/signup で無料アカウントを作ります。 会社のメールアドレスで作るか、個人のにするかは、会社のルールに合わせてください。

Git for Windows(ステップ01 で入れたもの)

ステップ01 で入れていれば、そのまま使えます。まだなら git-scm.com/downloads/win から入れてください。設定はすべて既定のままで構いません。

GitHub のアカウントを作る

github.com/signup で無料アカウントを作ります。

⚠️ GitHub のパスワードや個人アクセストークンを、Claude Code のチャット欄に貼らないでください。 サインインはブラウザで行います。下のプロンプトも、パスワードを求めない作りになっています。
03

Vault をリポジトリにして、GitHub へ上げる

Claude Code で ai-vault を開いた状態で、下のプロンプトを貼ってください。

PROMPT 06-AVault を Git 管理にして、非公開リポジトリへ上げる
いま開いている ai-vault を Git で管理し、GitHub の「非公開(private)」リポジトリへバックアップできるようにしてください。

【1】Git の準備
- まだ git リポジトリになっていなければ初期化する。
- git の user.name / user.email が未設定なら、私に聞いてから設定する。
  (メールアドレスは、GitHub に登録したものを使います)

【2】.gitignore を作る(先にこれをやること)
次のものが絶対に記録されないようにしてください。
  .obsidian/workspace*        Obsidian の画面配置(毎回変わってノイズになる)
  .DS_Store / Thumbs.db       OS が作る隠しファイル
  *.zip / *.mbox              取り込み前の生データ
  _inbox/                     一時置き場
  **/.env / **/*.key / **/*.pem / **/credentials*  鍵や認証情報
  *.log
そのうえで、既に記録対象になってしまっているものが無いか確認して、あれば外してください。

【3】機密が混ざっていないか、記録する前に必ず調べる
コミットする前に、Vault の中身を検索して次のようなものが無いか確認し、
見つかったら一覧で見せて、私の判断を待ってください。勝手に消さないでください。
  - パスワードらしき記述(password / パスワード / passwd の近くに文字列があるもの)
  - APIキー・トークンらしき長い英数字の羅列
  - クレジットカード番号・マイナンバーらしき数字の並び
  - frontmatter に private: true が付いているノートの件数

【4】最初のコミット
問題が無ければ、日本語のメッセージでコミットする。形式は「種別: 内容」。
  例)init: Vault の初期取り込み

【5】GitHub へ
- gh コマンドが使えるか確認する。無ければ入れ方を教えてください。
- 私がブラウザでサインインする手順を、番号付きで教えてください。
  (私にトークンやパスワードを入力させないでください)
- サインインが済んだら、**必ず private(非公開)** で新しいリポジトリを作り、push してください。
  リポジトリ名の候補を3つ提案してください。
- push が終わったら、GitHub 上でそのリポジトリが「Private」と表示されていることを、
  私がどこで確認すればよいか教えてください。

【6】毎日の自動保存
毎日23時に、その日の変更をまとめて1回コミットして push する定期タスクを作ってください。
- 名前: daily-vault-backup
- 権限モード: Auto、スケジュール: Daily 23:00、対象フォルダ: ai-vault
- やること: 変更が無ければ何もせず終わる。あれば「sync: YYYY-MM-DD の取り込み」でコミットして push。
- 失敗しても翌日また動くこと。エラーは _internal/last-run.md に1行だけ残すこと。

【禁止】
- リポジトリを public(公開)にしないこと。
- 履歴の書き換え(force push、rebase、履歴の削除)をしないこと。
- ファイルの削除は、必ず私に確認してから行うこと。
途中で止まったら:GitHub のサインインだけは自分の操作が要ります。案内された手順どおりにブラウザで許可すれば、その先は自動で進みます。
🔒 必ず Private(非公開)にしてください。この Vault には、会議の書き起こし・メール・取引先の名前が丸ごと入っています。 Public にすると、検索エンジンにも、他社のAIの学習にも拾われる可能性があります。
作った直後に、GitHub のリポジトリ画面で「Private」バッジが付いているか、自分の目で確認してください。
04

ふだんの使い方は「頼むだけ」

コマンドを覚える必要はありません。日本語で頼めば済みます。

やりたいことチャット欄にこう書く
今の状態を保存したい「いまの変更をコミットして push して。メッセージは日本語で」
間違って消したファイルを戻したい「meetings/260812-〇〇.md を、消える前の状態に戻して」
昨日の状態に戻したい「昨日の夜の状態に戻したい。何が変わるか先に見せて」
いつ何が変わったか知りたい「この1週間で変更のあったファイルを一覧にして」
2台目のパソコンで使いたい「このリポジトリを、このパソコンにも取ってきて Obsidian で開けるようにして」
コマンドは覚えなくて大丈夫です。「昨日の夜の状態に戻して」と日本語で言えば、それで戻ります。

GitHub に上げてはいけないもの

パスワード・APIキー・トークン

非公開リポジトリでも上げないでください。一度上げると履歴に残り、消すのが非常に面倒です。

取り込み前の生データ(ZIP / mbox)

容量が大きすぎて、push が失敗します。ai-import は Vault の外に置いてあるので、通常は問題ありません。

他人の個人情報を、必要以上に

取引先の担当者の携帯番号・自宅住所など。仕事に必要な範囲を超えたものは、そもそも Vault に残さないほうが安全です。

議事録・メモ・案件の記録

これは上げて大丈夫です。非公開リポジトリなら、自分と、自分が招待した人しか見られません。

05

無料枠と、課金の判断

GitHub は無料でも十分に使えます。ただし上限が来ると、静かに止まります。 いちばん困るのは「知らないうちにバックアップが止まっていた」なので、どこで切れるのかだけ先に見ておいてください。

無料Pro(月4ドル) このマニュアルの人だと、いつ来るか
保存できる容量 500 MB1 GB ここが本命です。テキストのノートだけなら1年でも数十MB。
音声・動画・スキャンしたPDFを入れると、数ヶ月で埋まります
クラウド実行の時間
ステップ05 のクラウド実行を使う人だけ
月 2,000 分月 3,000 分 ステップ05 の作り方なら月120分ほどまず来ません
リポジトリの数 無制限無制限気にしなくて大丈夫です
⚠️ 容量を食うのは、たいてい「入れてはいけないもの」です。 録音ファイル・動画・スキャンしたPDF・写真。これらはそもそも Vault に入れないのが正解です。 文字起こしのテキストだけを入れる。そうしていれば 500MB は何年ももちます。 容量が急に減りはじめたら、それは設計が崩れているサインです。
ℹ️ 上限が来たらどうなるか。容量を超えるとpush が通らなくなります=バックアップが止まります。 クラウド実行のほうはその月だけ止まり、翌月1日に戻ります。 どちらもメールで警告が来ますが、見落としがちです。下のプロンプトで月1回の見張りを付けておいてください。

Pro(月4ドル)にすると、何が変わるか

鍵の流出を、機械が止める

これがいちばん大きい。パスワードやAPIキーをうっかり含んだまま上げようとしたとき、その場で止まります。 人間の注意力より確実です。Vault には取引先の情報が入っているので、この保険は効きます。

容量と実行時間が増える

500MB → 1GB、2,000分 → 3,000分。「気づいたら止まっていた」の確率が単純に半分以下になります。

履歴を追う画面が使える

誰がいつ何を変えたかを追えます。AIが変な書き換えをした日を特定するのがラクになります。

払うかどうかの決め方

「使う量が増えたら払う」ではなく、「止まると困る度合いで決める」のが正解です。2〜3問で決まります。

上限が近づいたら、気づけるようにする

数字を覚えておく必要はありません。月1回、AIに見に行かせて、近づいていたら教えてもらう形にしておきます。 Cloudflare(ステップ07)のぶんも、このプロンプトが一緒に見ます。

PROMPT 06-C使用量を点検して、月1回の見張りまで作る
使っている無料サービスが、上限に近づいていないか点検してください。
そのあと、この点検を毎月やる仕組みまで作ってください。

【いま点検する】
1. 次の4つについて、いまの使用量と上限、残りの割合を表にしてください。
   分からないものは「確認できず」と書き、私がどの画面を見ればよいかを添えてください。
   (a) GitHub のリポジトリ容量
   (b) GitHub のクラウド実行の時間(今月ぶん)
   (c) Cloudflare のページ作り直しの回数(今月ぶん)
   (d) Vault のフォルダ容量(手元)

2. 80% を超えているものがあれば★を付けて、次の3つを書いてください。
   ・このまま行くと、いつ上限に当たるか
   ・減らす方法(お金をかけずに済む案を先に)
   ・払う場合いくらか

3. Vault の中で容量を食っているファイルの上位10件を出してください。
   そのうち「そもそも Vault に入れるべきでないもの」(音声・動画・大きな画像・PDF)に印を付けてください。
   消すかどうかは私が決めます。勝手に消さないでください。

【毎月やる仕組みを作る】
4. 毎月1日の朝に動く定期タスクを1本作ってください。名前は monthly-usage-check です。
   ・上の 1 と 2 と同じ点検をする
   ・結果を daily/YYMM-usage.md に保存する
   ・80% を超えているものがあるときだけ、私に知らせる
     (何も無い月は静かにしていてください。毎月報告が来ると読まなくなるので)
   ・_internal/last-run.md に1行残す

制約:
- 支払い方法の登録や、プランの変更は絶対に行わないでください。私が自分でやります。
- 削除は行わないでください。候補を挙げるところまでです。
⚠️ 支払い方法を登録するときの注意。 カードを登録すると、上限を超えたぶんが自動で課金されるのが普通です。 GitHub には使いすぎを止める上限額の設定があります(既定は0=超過を許さない)。 カードを登録したら、必ずこの上限額を確認してください。ここを見ずに登録すると、想定外の請求になり得ます。

このステップの完了チェック

  • GitHub にリポジトリができて、Private と表示されている(目で確認した)
  • .gitignore がある
  • 機密チェックで、パスワードやキーが出てこなかった(出たら対処した)
  • daily-vault-backup が Daily / Auto / Active で登録されている
  • いまの使用量を1回見た(容量・実行時間)
  • monthly-usage-check を登録した
  • Vault に音声・動画・大きなPDFが入っていないことを確認した